PROJECT STORY #01
令和6年 能登半島地震 災害復旧

灯る明かり、届く安心。
復興の先にある笑顔のために。

Member Profile

プロジェクトの概要と
現地での役割を教えてください

皆さんご存知の通り、2024年の元日に能登半島地震がありました。被災地は中部電力様の管轄なのですが、そこから東北電力ネットワーク様を通して、工事会社の私達に災害復旧の依頼がありました。当社の配電事業本部がある各営業所から4回に分けて現地へ行き、災害復旧を行いました。私は鶴岡営業所から、1月16日~20日の5日間、主に石川県の能登半島で作業させてもらいました。その時のメンバーは、鶴岡から一班5名と、酒田営業所から一班5名で計10名。私は鶴岡の副班長として災害復旧にあたりました。

私も鶴岡営業所のメンバーとして、震災で断たれたライフラインの復旧活動に行きました。現場での役割としては、先輩達が高所作業車で作業する際に使用する材料の準備や、作業現場の安全確保のために、カラーコーンやコーンバー等の安全対策品を使用し、工事区画を行う作業をしていました。

私はその時、山形営業所に転勤していたので、山形営業所の作業員として災害復旧に行きました。役割としては、主の作業員として電気の復旧や、改修作業に当たらせていただきました。

これまで災害復旧の経験はありますか? 向かうときの心情はどのようなものでしたか?

地震の災害復旧の経験は、入社1年目の東日本大震災ですね。もう何も分からない状態でしたけど、実際宮城県に行って災害復旧させてもらいました。その経験と実績があるものですから、今回鶴岡も結構揺れましたし、テレビで見ても、甚大な被害が起きてるということを知って、家族には休み明けか休み中に招集がかかるかもしれないということは伝えておきました。

自分の場合は東日本大震災の頃はまだ小学生で、このような災害復旧はもちろん初めてだったので、少し不安はありましたね。

私も東日本大震災の時は中学1年生だったので、災害復旧は初めてだったのですが、やっぱりテレビのニュースを見てすごい被害だなと思って、多分これは災害復旧応援に行かなくてはいけないのかなと思っていました。現地に向かう途中で、高速のインターチェンジやパーキングエリアで休憩するんですが、被災地に近づいていくと、いろんな電気会社の復旧車がすごく増えていくので、本当に向かっているんだなと、心構えもだんだんできてきました。

復旧作業はどのような様子でしたか?

まず土地勘が全然ないので、まず仕事よりも行くまでが大変で。地震で道路がめちゃくちゃで、主要道路が通行止めのところもあり、渡された地図の他に携帯や車載ナビを使って行くんですが、どこが通行止めになっているとか詳しい情報は出てこないので、行ってみて立ち止まって、地図を広げて、みんなで相談して、「こっちの道を行ってみよう」とかそんな現場ばかりでした。

また管轄外での仕事なので、いつも私たちが取り扱っている資材や機材と仕様が違い、復旧作業をするにしても、すぐには作業に取りかかれませんでした。現地の電力会社から説明を受けるんですが、実際やってみるとうまくいかない。それでもひとつずつ班長を含めてやり方を模索しながら、できるだけ早く電気が止まっている家庭に電気を送れるように作業をしていました。

自分は今回、災害復旧というのは初めてだったんですが、現地では自分達をはじめ全国のいろんな所から大勢人が集まって復旧作業をするという状況で、それ見た時に、すごく大きいチームワークを感じました。ミーティングも人が多く、それを見てすごいなと思いましたね。

やっぱり土地勘のない場所で、ましてや被災地ということで、やっぱりチームワークがとても重要だったなと感じました。復旧場所では今までやってきた経験を活かしてやろうと思っていたのですが、初めての災害復旧ということもあり、難しさを感じました。いざ上に登って仕事をすると、ミーティングとは状況が違ったりして。その時は自分の判断で作業をせずに、まず班長や周りの人に相談して、安全に作業できるようにするため話し合いはかなりしましたね。あと、班長から「ここ危ないから気をつけろよ」とか、ちょっとした声かけで気が引き締まりました。

得たもの・学んだことはありますか?

災害復旧には何度か行っているんですが、行くたびに電気は生活する上でなくてはならないものだということを再認識させられます。同時に、電気をつけるという仕事が、これ程人から感謝される仕事なんだなと気づかされます。

実際現地に行くと、甚大な被害に遭われている方は避難されているんですけども、それほどと言ったらおかしいですが、そういった地域に行くと、電気がつかない中、家の片付けをしているんですね。私達が行くと、もう電気がつくものだと思って結構人が出てくるんですよ。「何時くらいに電気がきますか」と。「これから作業しますのでちょっと待ってくださいね」と言って、電気を通して。ちゃんと電気が来ているか、家の中を検査するんですが、「もう使えますよ」と言うと、皆さんほっとした顔をするんですね。やっぱり何日も電気がないところで、ましてや冬ですし。電気が来るだけで暖房も使えますし、電気もついて明るいですし、もう本当にほっとした顔をしてくれるんです。中には涙を流して「ありがとうございます」と言ってくれる方もいました。これほど人から感謝されるような経験は、災害復旧に行かないとまず積めないので、行く度に、改めて私たちはすごい仕事をしているんだなと感じます。

普段何気なく使用している電気も、自分達や他の人たちを含め、いろんな人の頑張りがあって使えているのだということが、今回の災害復旧に行ってすごく身に染みました。

我々は普段からチームで動いてるんですが、今回一番感じたのが、やっぱりチームとして動くので、自分勝手でもうまくいかないし、他人任せではダメなんだなと。チーム全員で一つの仕事や目標に向かうので、みんなで力を合わせ、話し合い、意見を出し合うことが、今回すごく大きなチーム力になったのかなと思いました。そして、家庭に電気を通して「ありがとう」と言われた時に、こんなにもこの仕事はやりがいがあるのかと、その言葉一つが本当に嬉しくて、今もその言葉を胸に普段から仕事をしています。